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陰徳太平記 輝元卿廣嶋ニ於城ヲ移被事 13

大木為〓3細木為桷。〓4櫨侏儒各得其宜。工巧成テ燕雀聚リ賀セシカハ。
同十九年四月吉日良辰也トテ入場ノ佳慶ヲ被調ケリ。

〓3…u6757(杗)。〓4…u6B02(欂)

訳:
大木は棟木に使い、細木は垂木にした。耐水性のある木・重硬な木・短い木・やわらかい木は、それぞれ適材適所に用いた。
(そうしてついに城が)完成し、末端の作業員まで集まって上棟をよろこび祝ったので。
その年の四月の大安が最良の吉日であるとし、入場祝賀会の日程を調整なされた。

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コメント:
u6757(杗)は棟木、桷は垂木のことです。u6B02(欂)櫨侏儒は難解。欂は日本ではクレとも読み薄板の意。櫨はハゼノキ。侏儒は低身長症の人を指します。そのままでは意味が通りません。直前が木材の話題でハゼノキも出現してるので、木材の話が続いていると解釈します。

したがって侏儒は建材には不向きな低木・軟木と読むのが妥当でしょう。大工の匠が材料を適材適所使い分けるように、将も人間の向き不向きをふまえ使い分けるべきだ。軽輩にも使い道はあるものだ…という論はこの時代よく見られますが、木材の表現に侏儒を使うのは、これをさらに逆にした感じです。

u6757(欂)も訳に困りました。日本での意味に榑板(くれいた/薄い板、または榑縁に張った板)の意味がありますが、「薄い樹木」と訳しては意味が通りません。もう少し調べると飛騨では榑葺としてコケラに榑板を使い、その材料は栗の木であったと。

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栗材は水を通しにくいという特徴があります。だからこそコケラや縁に使われるわけです。丸木舟もあったようです(出土例が少ないのは太くなる木ではないからでしょう)。そこでu6757(欂)は「耐水性のある木」と訳しました。ハゼノキはその特徴から「重硬な木」

燕雀は一般に小人物を意味しますが、ここでは築城に携わった末端の作業員まで、という意味にとりました。
四月吉日良辰也トテはおバカな原文です。良辰は吉日の意味ですから、直訳すると「四月吉日は吉日なりというわけで」。
で、出~~~、馬から落馬~~~!!!

続きは後日。
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